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外壁塗装だけを対象にした国の補助金は、国土交通省の公表資料では確認できません。使える可能性があるのは、市区町村の制度です。
自治体の制度は、4つの型に分けると整理しやすくなります。住宅リフォーム助成、空き家の改修補助、耐震改修と同時に行う工事への補助、外壁の断熱改修への補助です。
どの型でも、申請より前に契約や着工をすると対象外になる制度が大半です。札幌市のように、交付決定前の着工を認める例外もあります。
この記事では、自治体の制度の原文を確認した当サイトの地域ページをもとに、4つの型を実例の市とあわせて説明します。制度の呼び名は「助成」「補助」「支援事業」などさまざまです。ここでは、まとめて助成金と呼びます。検索でよく並ぶ「補助金」も、同じ内容として扱います。
国の制度|外壁塗装だけでは使えない

国の制度で外壁に関係するのは、省エネ改修を支援する事業です。国土交通省は、省エネ住宅の新築と住宅の省エネリフォームを支援する「みらいエコ住宅2026事業」を創設すると発表しています。
リフォームの補助額は、改修前と改修後の省エネ性能で決まります。発表資料には、1戸あたりの上限として100万円、80万円、50万円、40万円の4区分が載っています。対象は、2025年11月28日以降に工事へ着手したものです。
事業の公式サイトでは、対象を「躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む幅広いリフォーム工事」と説明しています。申請するのは、消費者と直接契約するリフォーム工事の施工者です。予算の上限に達した時点で、受付は終わります。
どちらの資料にも、塗り替えだけの工事を対象にするという記載はありません。外壁で関係してくるのは、壁に断熱材を入れる改修のほうです。
国の制度は、工事の中身も申請の窓口も、自治体の制度とは別物です。国の制度だけを前提に、外壁塗装の見積もりを組まないようにしてください。
自治体の制度は4つの型|実例の市で見る

外壁塗装に近い制度は、自治体が実施しています。当サイトの地域ページで確認した市の制度を、4つの型に分けて表にしました。
| 型 | 外壁塗装との関係 | 実例の市 |
|---|---|---|
| ①住宅リフォーム助成 | 外壁の塗装が対象工事に入る場合がある | 上越市・松山市 |
| ②空き家の改修補助 | 空き家バンクなど、空き家を活用する場合の加算や別枠 | 松山市・上越市 |
| ③耐震改修との同時工事 | 耐震改修と同時なら、外壁塗装が対象になる場合がある | 豊川市 |
| ④外壁の断熱改修 | 断熱材を入れる改修が対象。塗装のみは対象外 | 函館市・札幌市・横浜市 |
①住宅リフォーム助成|上越市と松山市
新潟県の上越市には、住宅リフォーム促進事業があります。2026年度の一般枠は4月23日で締め切られました。いま受け付けているのは、子育て・若者夫婦世帯支援枠です。
この枠では、外壁の張替・塗装は「一般部分」として補助の対象になります。ただし、子ども部屋の改修などの支援部分を税込4万円以上含めることが必須です。外壁塗装だけでは申請できません。
愛媛県の松山市は、「わが家のリフォーム応援事業」を実施しています。補助は対象工事費(税抜)の10%で、上限は20万円です。税抜50万円以上の工事が対象で、築10年以上などの条件があります。
松山市は、抽選を伴う二段階方式です。2026年度の事前申請は第1期・第2期とも終わっています。上限20万円という数字だけを見て、いまから申し込めると考えないようにしてください。
②空き家の改修補助|松山市の加算
松山市の制度には、空き家バンク加算と省エネ化加算があります。加算額は各30万円です。ただし、補助金の総額は対象工事費の2分の1までです。
この加算は、条件を満たさない通常の工事に足せるものではありません。居住中の住宅の塗装と、空き家の改修では、申請の入口が違います。
上越市の支援枠にも、定住のために空き住宅をリフォームする人が申請できる仕組みがあります。この場合は、実績報告の期限までに住民票を移すことが求められます。
③耐震改修との同時工事|豊川市
愛知県の豊川市は、住宅リフォーム工事費補助金を、耐震改修の補助事業と同時に行う工事に限って出しています。補助はリフォーム工事費の20%で、上限は20万円です。
豊川市の公式ページによると、受付は2026年12月25日までで、募集は8件(予定)です。申請の前に着手した工事は、補助を受けられません。
当サイトの豊川市のページでは、対象工事の一覧に「屋根の葺替・塗装、外壁の張替・塗装など」が含まれることを確認しています。ただし、外壁塗装などのリフォームだけを行う工事は対象外です。
耐震改修には、耐震診断が前提になる制度が多くあります。診断から始める場合は、時間に余裕を見てください。
④外壁の断熱改修|函館市・札幌市・横浜市
外壁に関する助成で数が多いのは、断熱改修を対象にした制度です。塗装ではなく、壁に断熱材を入れる工事が対象になります。
北海道の函館市では、住宅リフォーム補助制度の省エネ改修に「壁の断熱改修」があります。補助率は対象額の20%以内で、上限は20万円です。塗替えだけでは対象にならず、断熱材を設置する工事分だけが補助されます。
札幌市の公式ページには、「塗装工事(外壁又は屋根)を対象とした補助金はございません」と書かれています。外壁で補助が受けられるのは、住宅エコリフォーム補助制度の「外壁全体の断熱改修」で、1戸あたり24万円の定額です。
横浜市の既存住宅断熱改修補助制度も、外壁の断熱改修は対象になりますが、塗装だけの工事は対象外です。市のチラシは、補助対象外の工事例の最初に「外壁塗装のみ」を挙げています。
遮熱や断熱をうたう塗料で塗り替えても、これらの制度の対象にはなりません。制度が求めているのは、塗膜の性能ではなく、壁に入れる断熱材の量や熱抵抗の値です。
いくら受け取れるのか|補助率と上限の実例の幅

補助額は、工事費の何割かで決まります。さらに上限や下限の条件が付きます。実例の市を並べると、幅がよくわかります。
| 市 | 対象になる外壁工事 | 補助率・補助額 | 上限など |
|---|---|---|---|
| 上越市 | 外壁の張替・塗装(一般部分) | 20% | 10万円。支援部分の工事を含むことが必須 |
| 松山市 | 住宅リフォーム(税抜50万円以上) | 10% | 20万円。抽選あり |
| 豊川市 | 耐震改修と同時のリフォーム | 20% | 20万円。募集8件(予定) |
| 函館市 | 壁の断熱改修 | 対象額の20%以内 | 20万円。対象額の合計30万円以上 |
| 札幌市 | 外壁全体の断熱改修 | 定額24万円 | 総工事費(税抜)の10%と50万円の低いほう |
| 横浜市 | 外壁などの断熱改修 | 契約金額をもとに計算 | 世帯の区分で100万〜150万円 |
上の表のとおり、外壁塗装が対象になる制度でも、受け取れる額は数万円から20万円ほどの範囲です。見積額の全額が戻るわけではありません。
上限の数字は、工事費が大きくないと受け取れない場合もあります。上越市の一般部分は補助率が20%のため、上限の10万円に届くには、対象工事費が50万円以上必要です。
札幌市の24万円は、総工事費(税抜)の10%が上限です。24万円を満額で受け取るには、総工事費が240万円以上になります。補助対象外の工事も含めた総額で計算する点に注意が必要です。
函館市のように、対象額を市が定める工事基準額と見積額の低いほうで計算する制度もあります。見積総額が、そのまま補助の計算に使われるわけではありません。
対象になる条件と申請の順番
共通して見られる条件
地域ページで確認した市には、次のような条件が共通して見られました。細部は市ごとに違います。
- 自分が所有して住んでいる住宅であること(上越市・函館市・松山市)
- 市税の滞納がないこと(函館市・上越市)
- 施工者が市内に営業所や住所を持つこと(札幌市・函館市・松山市・上越市)
- 同じ住宅への補助は、年度内に1回など回数に制限があること(函館市・上越市)
施工者の条件は、業者選びに直結します。市内の施工者に限る制度では、全国展開の会社に頼むと対象外になることがあります。見積もりの段階で、制度の施工者要件を満たすかを業者に確認してください。
申請から受け取りまでの順番
多くの制度は、次の順番で進みます。
| 順番 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 見積もりを取る | 補助を使う案と使わない案を分けて出してもらう |
| 2 | 交付申請をする | 先着や抽選の制度が多い |
| 3 | 交付決定を受ける | この通知の前に契約・着工しない |
| 4 | 契約して着工する | 契約書の日付が決定日より前だと対象外になる |
| 5 | 工事完了・支払い | 期限までに終える |
| 6 | 実績報告・請求 | 写真や領収書が必要 |
函館市のパンフレットは、施工業者との契約や着手を済ませた工事は申請できないと明記しています。上越市も、交付決定を受けてから契約し、着工するよう案内しています。豊川市も、申請前に着手した工事は補助を受けられないとしています。
例外もあります。札幌市のパンフレットは、補助金の交付決定前でも工事に着手できると明記しています。ただし、契約は2026年4月1日以降、完了は2027年1月31日までなどの条件があり、工事前の写真も必要です。抽選に外れれば、補助はありません。
順番の決まりは、制度ごとに違います。自分の市の公式ページで、契約・着工のタイミングを読んでから動いてください。
「助成金で無料に」と言われたときの備え
助成金を口実にした勧誘には、注意が必要です。国民生活センターは、訪問業者が「無料点検」を名目に自宅を訪れ、不安をあおって不要な工事を契約させる「点検商法」のトラブルを、注意喚起しています。
2018年3月1日の発表によると、点検商法の相談は2007年度から2016年度まで年1,600件から2,400件で推移し、2016年度は2,400件でした。相談者は70代と80代で約6割を占めています。助成金に限った統計ではありません。ただ、勧誘の入り口が違っても、対応の基本は同じです。
国民生活センターが示す対応は、次のとおりです。
- 訪問業者による点検には応じない
- その場で契約しない
- 複数の業者から見積もりを取る
- クーリング・オフ制度を活用する
- 地域の消費生活センターに相談する
助成金の申請は、市区町村に対して行うものです。ここまで見てきた制度では、国の事業も自治体の制度も、申請の手順や施工者の条件が公式ページに書かれています。「あなたの家は対象です」「全額無料になります」と言い切る勧誘は、公式ページで条件を確かめてから判断してください。
訪問販売を受けたときの断り方は、外壁塗装の訪問販売はその場で契約しない|断り方と見積もりの確認手順にまとめています。見積書の読み方は外壁塗装の見積書の見方、業者の比べ方は外壁塗装の相見積もりは何社?が参考になります。
補助を使う案と使わない案を分けて見積もってもらうと、助成の有無で総額がどう変わるかを比べられます。
【関連】お住まいの地域の助成金・業者情報を調べる
この記事で例に挙げた市を含め、都道府県ごとの制度の一覧と、実例の市のページをまとめています。
- 北海道の外壁塗装助成金と気候(実例:函館市・札幌市)
- 新潟県の外壁塗装助成金と気候(実例:上越市)
- 愛知県の外壁塗装助成金と気候(実例:豊川市)
- 愛媛県の外壁塗装助成金と気候(実例:松山市)
- 神奈川県の外壁塗装助成金と気候(実例:横浜市)
お住まいの地域の助成金・塗装業者を調べる
外壁塗装の助成金は市区町村ごとに条件も受付時期も違います。当サイトでは37都道府県・161市区町について、自治体の公式資料で制度を確かめ、気候の平年値・住宅統計・塗装工事業の許可業者とあわせて掲載しています。
- 北海道・東北:北海道(3市区町)/岩手県(1市区町)/宮城県(1市区町)/秋田県(1市区町)/山形県(1市区町)/福島県(2市区町)
- 関東:茨城県(12市区町)/栃木県(21市区町)/群馬県(10市区町)/埼玉県(17市区町)/千葉県(17市区町)/東京都(24市区町)/神奈川県(15市区町)
- 中部:新潟県(2市区町)/富山県(1市区町)/福井県(1市区町)/長野県(1市区町)/岐阜県(1市区町)/静岡県(2市区町)/愛知県(3市区町)
- 近畿:三重県(1市区町)/滋賀県(1市区町)/兵庫県(3市区町)/和歌山県(1市区町)
- 中国・四国:岡山県(1市区町)/広島県(3市区町)/山口県(2市区町)/徳島県(1市区町)/香川県(1市区町)/愛媛県(1市区町)
- 九州・沖縄:福岡県(3市区町)/佐賀県(1市区町)/長崎県(2市区町)/熊本県(1市区町)/大分県(1市区町)/宮崎県(1市区町)/鹿児島県(1市区町)
よくある質問
Q1. 外壁塗装だけで使える助成金はありますか?
地域ページで確認した市では、塗装だけで使える制度は多くありません。外壁の張替・塗装が対象でも、子育て世帯向けの工事を含めることや、耐震改修と同時に行うことが条件になっている例があります。お住まいの市の公式ページで確かめてください。
Q2. 国の補助金は外壁塗装に使えますか?
国土交通省の公表資料では、塗り替えだけの工事が対象とは説明されていません。省エネ性能を高める断熱改修などが対象です。申請は、消費者と直接契約するリフォーム工事の施工者が行います。
Q3. 助成金はいつから申請できますか?
制度ごとに違います。地域ページで確認した市では、受付が5月ごろに始まる例が見られました。先着で予算がなくなり次第終わる制度や、抽選の制度もあります。塗装を考え始めたら、年度の早い時期に公式ページを見ておくと安心です。
Q4. すでに契約した工事は、あとから申請できますか?
函館市や豊川市のように、申請前に契約や着手をした工事は対象外とする制度が多くあります。契約書に署名する前に、交付決定の前に着工してよいかを市に確認してください。
Q5. 業者に申請を代行してもらえますか?
国の省エネリフォーム事業は、施工者が申請します。自治体の制度は、申請者本人が窓口へ出す形が多く、上越市は窓口への持参のみで郵送不可です。代行の可否は、制度ごとの要綱で確認してください。
まとめ
外壁塗装だけで使える国の補助金は、確認できません。使える可能性があるのは、自治体の制度です。
制度は、住宅リフォーム助成、空き家の改修補助、耐震改修との同時工事、外壁の断熱改修の4つの型に分けられます。受け取れる額は、実例では数万円から20万円ほどの制度が中心です。
申請の順番は、交付決定のあとに契約・着工するのが基本です。制度の受付状況は変わります。契約の前に、市の公式ページで最新の内容を確かめてください。
出典・確認日
- 国土交通省「住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定!(みらいエコ住宅2026事業を創設)」
https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001323.html 確認日:2026-10-02 - 住宅省エネ2026キャンペーン 公式サイト(リフォーム補助対象工事)
https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/ 確認日:2026-10-02 - 独立行政法人国民生活センター「「大雪で歪んだ」などと自宅の不具合を指摘して不安をあおる「点検商法」」(2018年3月1日発表)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180301_1.html 確認日:2026-10-02 - 豊川市「住宅リフォーム工事費補助金」
https://www.city.toyokawa.lg.jp/soshiki/kensetsu/kenchiku/2/1/5/1487.html 確認日:2026-10-02 - 当サイト地域ページ(各市の公式資料を確認した日):函館市(2026-09-23)、札幌市(2026-09-23)、横浜市(2026-09-28)、上越市(2026-09-23)、松山市(2026-09-15)

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