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大阪府内で公式資料を確かめた大阪市・堺市・東大阪市には、住まいの外壁を塗り替える費用を補助する市の制度がありません。3市のうち外壁塗装の補助がある市は0市です。
ただし「何もない」の中身は市ごとに違います。大阪市は塗装(断熱・遮熱塗装を含む)を補助対象外としながら、断熱材を壁に入れる改修は、居間を含む2以上の居室の窓すべてを断熱する場合に限って補助します。堺市は外壁の防火改修の補助ページで、表題に「外壁、屋根の塗装は対象外です。」と書いています。東大阪市は住まいの補助一覧に外壁を目的にした制度が載っていません。
府には、断熱シミュレーションの検証に協力するモニター向けに外壁の断熱改修も補助するモデル事業があります。こちらも塗装の記載はありません。
3市の比較表
| 市 | 外壁の塗り替え | 外壁に関わる市の補助 | 塗装以外で外壁が対象になる条件 | 受付の状況(10月5日時点) |
|---|---|---|---|---|
| 大阪市 | 対象外 | 住宅省エネ改修促進事業 | 断熱材を使う改修で、居間を含む2以上の居室の窓すべてを断熱 | 交付申請は令和9年1月29日まで・先着 |
| 堺市 | 対象外 | 住宅・建築物防火改修等促進事業 | 準防火地域で延焼の恐れのある部分を防火改修 | 令和8年度の受付期間の記載なし |
| 東大阪市 | 市の制度なし | なし | ― | ― |
表の「対象外」は、市の資料に塗装を除くと書かれていることを示します。東大阪市は塗装の補助がないと書いたページはなく、住宅政策室がまとめた補助の一覧に外壁の制度が見当たらないことを根拠にしています。
出典:各市の公式ページ(リンクは市別ページに掲載。3市とも2026年10月5日確認)
大阪市だけにある「外壁断熱なら補助」の条件
大阪市の住宅省エネ改修促進事業は、外壁の塗装工事(断熱・遮熱塗装工事)と屋根の葺替工事を補助対象外としています。断熱をうたう塗料でも、断熱材を使わない以上は塗装の扱いです。
外壁が対象に入るのは、部分改修で窓の要件を満たした後です。居間を含む2つ以上の居室で、外気に接する窓をすべて断熱改修し、そのうえで決められた量の断熱材を壁に入れます。補助は省エネ基準レベルで2/5(30万円まで)、ZEHレベルで4/5(70万円まで)です。昭和56年5月31日以前に着工した建物は、耐震改修をあわせて行う場合などを除いて申請できません。
申請は着工予定日の30日前までで、交付決定の通知を受けてから契約・着工する順番です。予算の上限に達すると令和9年1月29日の提出期限より前でも受付を終えます。
このため府内の数え方では、大阪市を「外壁塗装の補助がある市」に入れていません。窓と外壁の断熱を一緒に計画する人にだけ関係する制度です。
堺市と東大阪市は耐震の補助で塗り替えはできない
堺市の防火改修等促進事業は、準防火地域にある耐震性能を有する既存住宅で、延焼の恐れのある部分の外壁・軒裏をすべて建築基準法第61条に適合させる工事を補助します(防火改修等工事費の3分の2以内、限度200万円)。目的は燃えにくい外壁にすることで、ページの更新日は2024年4月1日のままです。検討するなら先に建築防災推進課へ実施状況を問い合わせます。
両市とも耐震改修の補助はありますが、塗り替えに回すことはできません。
- 堺市:評点1.0未満の木造住宅などの耐震改修。令和8年度の申し込みは令和9年1月29日まで
- 東大阪市:昭和56年5月31日以前に建てた2階以下の木造住宅の耐震改修。市のページは「耐震改修工事に併せて行うリフォーム工事等は補助の対象外」と明記
補強に必要な撤去や再仕上げは工事費に含まれても、外壁全体の塗り替えは別の工事として見積もってもらうのが前提です。
大阪府の既存住宅断熱化促進モデル事業
府の制度で外壁が出てくるのは「既存住宅断熱化促進モデル事業補助金」です。府が開発した断熱シミュレーションツール「エコミエル」の精度を検証するため、モニターとして協力する人の断熱改修工事費を補助します。
| 項目 | 一戸建て(木造)で外壁を含むパターン |
|---|---|
| 改修する範囲 | 主たる居室1室の内窓設置又は外窓交換+外壁改修 |
| 性能 | 窓・外壁ともZEH仕様基準に適合 |
| 建物 | 2010年以前に竣工した専用住宅 |
| 地域 | 地域の区分が6の市町村(豊能町・能勢町・岬町は対象外) |
| 補助 | 5分の4、20万円まで |
| 外壁のモデル工事費 | 断熱材1立方メートルあたり20.1万円または30.2万円 |
| 申請期限 | 令和8年11月3日(予定数5件に達し次第終了) |
| 工事期間 | 令和8年11月初頭から令和9年1月末 |
改修する1室については、窓も外壁もすべて改修することが条件です。工事の前後には室温の測定などに協力します。府のQ&Aは、交付決定の通知後に契約・着工するよう求め、交付決定より前に着手した工事は全額補助対象外としています。国や府内市町村の補助と補助対象を重複できないため、大阪市の省エネ改修の補助と同じ工事に重ねることはできません。
出典:大阪府・既存住宅断熱化促進モデル事業補助金(2026年10月2日更新、Q&Aを含む。2026年10月5日確認)
国の補助と火災保険で確かめること
3市のどこでも候補になるのは、国の「みらいエコ住宅2026事業」です。窓などの開口部と壁などの躯体の断熱改修を組み合わせる工事が対象で、塗装は補助対象工事に入っていません。登記事項証明書で平成28年12月31日以前の新築と確認できる住宅に限られ、外壁の断熱は断熱材1立方メートルあたり44,000円・30,000円・15,000円・14,000円です。交付申請の予約は遅くとも11月16日、着工は遅くとも2026年12月31日までで、リフォームの申請額は10月5日午前0時時点で予算の8%です。
台風などの自然災害で外壁が壊れた場合は、契約内容によって火災保険の対象になることがあります。経年劣化による傷みは対象外です。国民生活センターは「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘する住宅修理サービスの相談が近畿地方でも増えていると注意しています。「市の助成金で塗装が安くなる」と言われたら、制度名を聞いて市のページで確かめてから判断してください。
業者探しには、府の「住宅リフォームマイスター制度」もあります。府が指定した非営利団体が、一定の基準を満たした事業者の情報を提供する仕組みです。
出典:みらいエコ住宅2026事業【公式】、国民生活センター、大阪府・住宅リフォームマイスター制度(2026年10月5日確認)
気候と海からの距離
| 市 | 平年値の観測所 | 年降水量 | 年降雪深 | 市役所から概略海岸線まで |
|---|---|---|---|---|
| 大阪市 | 大阪(市内) | 1,338.3mm | 1cm | 約10km |
| 堺市 | 堺(市内) | 1,232.9mm | 統計なし(観測項目なし) | 約5km |
| 東大阪市 | 大阪(西に隣接する大阪市の観測所) | 1,338.3mm | 1cm | 約15km |
いずれも気象庁の1991〜2020年の平年値です。東大阪市には平年値の観測点がないため、大阪観測所の値を借りています。大阪観測所の年降雪深は1cmにとどまり、年間日照時間は大阪で2,048.6時間、堺で2,041.4時間あります。外壁の傷みは日射による色あせやチョーキングから出やすく、南面と西面を先に点検します。
海岸線までの距離は市役所を基準にした概算で、一軒ごとの塩害を判定する値ではありません。
出典:気象庁・過去の気象データ検索(平年値)、国土地理院住所検索、Natural Earth海岸線(2026年10月5日確認)
住宅統計に見る3市の違い
令和5年住宅・土地統計調査で、居住世帯のある住宅に占める一戸建ての割合を比べると、大阪市と残る2市で差がはっきりしています。
| 市 | 居住世帯のある住宅 | 一戸建て | 一戸建ての比率 | 一戸建てで目立つ建築時期 |
|---|---|---|---|---|
| 大阪市 | 1,520,400戸 | 344,200戸 | 22.64% | 1970年以前が48,600戸 |
| 堺市 | 370,600戸 | 175,400戸 | 47.33% | 1971〜1980年が31,400戸 |
| 東大阪市 | 235,240戸 | 109,060戸 | 46.36% | 2001〜2010年が19,150戸 |
大阪市は共同住宅が中心ですが、1970年以前の一戸建てが1970年代や1980年代より多く残っています。市の省エネ改修の補助は昭和56年5月31日以前に着工した建物を原則として受け付けないため、古い家では耐震改修とあわせるかが分かれ目です。堺市は1970年代築の一戸建てが続く年代より多く、塗り替えの時期に耐震診断も考える家が多い市です。東大阪市は2000年代築が最も多く、2回目の塗り替えを迎える家が増えています。
出典:e-Stat・令和5年住宅・土地統計調査 第9-2表(2026年10月5日確認)
3市で塗装工事業の許可を確認した事業者
| 市 | 事業者(許可番号) |
|---|---|
| 大阪市 | 有限会社池田塗装店(大阪府知事許可 第094391号)、有限会社川曽塗装店(大阪府知事許可 第163362号)、大生塗装工業株式会社(大阪府知事許可 第042982号) |
| 堺市 | 有限会社YANO塗装(大阪府知事許可 第125255号)、妹尾塗装工業(大阪府知事許可 第118926号)、有限会社アサヒ塗装(大阪府知事許可 第123627号) |
| 東大阪市 | 株式会社尾俣塗装店(大阪府知事許可 第110349号)、萩塗装(大阪府知事許可 第125968号)、有限会社池田塗装(大阪府知事許可 第160598号) |
国土交通省の建設業者検索で、各市に主たる営業所があり塗装工事業の許可が有効な事業者を選びました。所在地・電話・許可の有効期間は市別ページに載せています。断熱材を使う改修を請け負うかどうかは会社ごとに違います。掲載は推薦ではなく、当サイトとの提携関係もありません。
出典:国土交通省・建設業者検索(2026年10月5日確認)
見積もりを取る前に決めておくこと
塗り替えだけなら、市の補助を待つ必要はありません。足場、高圧洗浄、付帯部の範囲をそろえて複数社の見積もりを比べられます。
断熱まで考えるなら、使う制度を先に一つに絞ります。大阪市・府・国の制度はいずれも契約や着工の前に手続きが必要で、同じ工事に重ねられない組み合わせがあります。断熱材を何立方メートル使うか、窓をどの部屋まで改修するかを見積書に書いてもらうと、制度ごとの補助額を比べやすくなります。
ここで扱っていない府内の市町村の制度は、各市町村の住宅担当課で確認してください。
よくある質問
大阪府内で外壁塗装の補助を出している市はありますか?
大阪市・堺市・東大阪市の3市には、外壁の塗り替えに使える市の補助はありません。大阪市と堺市は資料で塗装を対象外と書き、東大阪市は補助の一覧に外壁の制度がありません。
大阪市の補助で遮熱塗料の塗り替えはできますか?
できません。住宅省エネ改修促進事業は、断熱・遮熱塗装工事を含む外壁の塗装工事を補助対象外としています。
府のモデル事業は堺市や東大阪市の家でも申し込めますか?
地域の区分が6の府内の住宅が対象で、対象外は豊能町・能勢町・岬町です。木造の一戸建てなら主たる居室1室の窓と外壁の断熱改修を組み合わせられますが、予定数は5件で、11月3日の期限前でも埋まれば終わります。
府のモデル事業と大阪市の補助は一緒に使えますか?
府の事業は国や府内市町村の補助と補助対象を重複できません。同じ窓や外壁に両方は使えないため、どちらで申請するかを契約前に決めます。
堺市の準防火地域なら外壁の工事に補助が出ますか?
延焼の恐れのある部分の外壁・軒裏をすべて防火仕様にする改修が対象で、塗装は表題で対象外とされています。令和8年度の受付状況は市に確認が必要です。
台風で傷んだ外壁は火災保険で直せますか?
自然災害による損傷で、契約がその損害を補償していれば対象になり得ます。年数による劣化は対象外で、保険金の請求は加入者自身で行うのが基本です。
まとめ
大阪市・堺市・東大阪市の3市で、外壁の塗り替えに使える市の補助はありません。外壁が補助の対象に入るのは、大阪市で窓とあわせて断熱材を入れる場合、堺市で準防火地域の防火改修をする場合、府のモデル事業のモニターになる場合など、いずれも塗装とは別の目的の工事です。
塗り替えが目的なら、補助を前提にせず工事の範囲をそろえた相見積もりで比べるのが近道です。断熱まで含めるなら、市・府・国のどれを使うかを契約前に決め、交付決定の後に着工する順番を守ってください。
出典・確認日
- 大阪市・大阪市住宅省エネ改修促進事業(2026年10月5日)
- 堺市・住宅・建築物防火改修等促進事業、堺市・住まいのお得情報(2026年10月5日)
- 東大阪市・耐震・省エネ・バリアフリーなどの補助制度、東大阪市・耐震改修の補助金(2026年10月5日)
- 大阪府・既存住宅断熱化促進モデル事業補助金、大阪府・住宅リフォームマイスター制度(2026年10月5日)
- みらいエコ住宅2026事業【公式】、国民生活センター(2026年10月5日)
- 気象庁・過去の気象データ検索(平年値)、e-Stat・令和5年住宅・土地統計調査 第9-2表、国土交通省・建設業者検索(2026年10月5日)
- 国土地理院住所検索、Natural Earth海岸線(市役所基準の概算)
