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山梨県で今住んでいる家の外壁を塗り替える場合、県から直接お金が出る制度はないと考えてください。県建築住宅課の「住宅のリフォームをお考えの方へのお知らせ」が県の支援事業として並べているのは、住宅の耐震化、アスベスト飛散防止対策、在宅重度心身障害者居室整備費補助金の3つと、国の省エネ補助金の情報提供です。
県庁所在地の甲府市も、平成25年度から続けていた住宅リフォーム助成事業を平成29年度で終えています。市のお金が外壁の工事に関わる可能性があるのは、新婚・子育て世帯の住宅取得支援と、空き家バンクで買った家の改修といった、世帯や物件の条件がそろう場合に限られます。
掲載は甲府市から始めており、県内のほかの市町村は順次追加します。それまでは、お住まいの市町村の住宅担当の窓口で制度の有無を確かめてください。
外壁の工事に関わる県・市・国の制度一覧
「今の自宅の塗り替え」に使えるかを中心に、外壁に触れる可能性のある制度を並べました。
| 地域 | 制度 | 自宅の塗り替え | 主な条件 | 補助の水準 |
|---|---|---|---|---|
| 山梨県 | 木造住宅耐震改修等支援事業 | 対象外(耐震改修工事費が限度) | 昭和56年5月以前着工の木造住宅 | 最大1,437,500円 |
| 山梨県 | 家庭用省エネ設備等導入支援事業費補助金 | 対象外 | 給湯器・エアコンなど設備 | 機器ごとの定額 |
| 甲府市 | 住宅リフォーム助成事業 | 平成29年度で終了 | なし | なし |
| 甲府市 | 子育て世帯住宅取得支援事業 | 対象か市に確認が必要 | 新婚・子育て世帯、所得や年齢の要件 | 最大90万円 |
| 甲府市 | 空き家バンク活用促進助成金 | 対象外(購入した空き家の改修) | 空き家バンク物件の買い主 | 1/3・30万〜50万円 |
| 甲府市 | やまなしKAITEKI住宅普及促進事業費補助金 | 対象外 | KAITEKI住宅の認定 | リノベは40万〜120万円 |
| 国 | みらいエコ住宅2026事業 | 対象外 | 開口部と躯体の断熱の組み合わせ | 40万〜100万円/戸 |
塗り替えに使える見込みがあるのは甲府市の子育て世帯住宅取得支援だけで、それも要綱に外壁や塗装の語はありません。それ以外は耐震・設備・断熱・空き家の改修が目的の制度です。
県のリフォーム支援は耐震・アスベスト・福祉の3本
県の案内は、リフォームと同時に耐震補強をする利点を前面に出しています。昭和56年5月以前に着工した木造住宅は、県と市町村が協調する木造住宅耐震改修等支援事業の対象で、総合評点1.0未満の家を1.0以上にする耐震改修や建替えに、最大1,437,500円が出ます。限度は耐震改修工事費で、申し込み先は市町村です。
県のチラシは、外壁や断熱のリフォームで壁をはがしたときに筋交いや補強金物を入れる例を紹介しています。外壁を張り替えるほどの工事なら、耐震補強を同時に行うと費用を抑えやすいという趣旨ですが、補助されるのは耐震の部分で、仕上げの塗装代は自己負担のままです。
県は国の省エネ補助について「県ではご相談等をお受けすることができません。」と書いており、国の制度は各事務局に問い合わせる形になります。
出典:山梨県・住宅のリフォームをお考えの方へのお知らせ(2025年7月10日更新)、山梨県・木造住宅耐震改修等支援事業(2026年7月2日更新。2026年10月31日確認)
KAITEKI住宅のリノベと県の省エネ設備補助
「やまなしKAITEKI住宅」は、県の指針に沿った性能の住宅を公益社団法人山梨県建設技術センターが認定する仕組みです。補助事業は市町村が実施し、県がその市町村に補助します。実施市町村は甲府市・富士吉田市・都留市・山梨市・大月市・韮崎市・南アルプス市・北杜市・甲斐市・笛吹市・上野原市・甲州市・中央市・市川三郷町・身延町・南部町・富士川町・昭和町・西桂町・忍野村・富士河口湖町の21市町村です。
県の発表では、改修の場合の補助は最大120万円で、県内に本店を置く建設業者の施工が条件です。改修版の「やまなしKAITEKI住宅リノベ」は、長期優良住宅(増改築)の認定を受けることなどが必須事項になっており、断熱や耐震を含む大がかりな改修でなければ届きません。外壁の塗り替えだけで使える制度ではない点に注意します。
県の令和8年家庭用省エネ設備等導入支援事業費補助金は、エコキュートやエネファーム、高効率エアコンなど設備の導入が対象で、受付は令和9年5月24日午後5時まで(予定)、契約前の交付申請が必要です。外壁や断熱の工事は入っていません。
出典:山梨県・やまなしKAITEKI住宅について(2026年7月21日更新)、山梨県・『やまなしKAITEKI住宅』の認定制度・補助制度・金利優遇がスタート(2025年10月1日発表)、山梨県・家庭用省エネ設備等導入支援事業費補助金(2026年10月31日確認)
甲府市は一般向けが終了、残るのは世帯や物件の条件つき
甲府市の「甲府市住宅リフォーム助成事業の終了について」には、「平成25年度から行っていた甲府市住宅リフォーム助成事業は、平成29年度をもって終了しました。」とあります。誰でも申し込める塗り替えの補助は、いまの市にはありません。
子育て世帯住宅取得支援事業は、新居の住居費や引越費用を補助する制度で、要綱は住居費を市内の自宅を「取得又はリフォームする際に要した費用」と定めています。リフォーム費用は「住宅の機能の維持又は向上を図るために行う修繕、増築、改築、設備更新等の工事費用」とされていますが、外壁の塗り替えが含まれるかは書かれていません。夫婦の婚姻時の年齢が39歳以下、世帯所得の合算が500万円未満などの条件があり、申請期限は令和9年3月31日です。使いたい人は工事の前に連携共創課へ内容を伝えて確かめます。
空き家バンク活用促進助成金は、バンクに登録された空き家を買って自分が住むための改修に出る補助で、交付決定の後に工事を始めることが条件です。補助の詳細、市内の塗装工事業の許可業者は甲府市の外壁塗装と助成金のページにまとめています。県は市町村の空き家関連補助制度の一覧(R8.9更新)も公開しているので、甲府市以外で空き家を買う予定の人はそちらで探せます。
出典:甲府市・甲府市住宅リフォーム助成事業の終了について、甲府市・甲府市子育て世帯住宅取得支援事業について、甲府市・空き家バンク活用促進助成制度、山梨県・空き家対策に関する情報(2026年10月31日確認)
外壁に断熱材を入れるなら国のみらいエコ住宅2026事業
県に外壁の断熱を補助する独自の制度がないため、断熱まで考えるなら国の事業が中心になります。みらいエコ住宅2026事業のリフォームは、平成28年12月31日以前に新築された住宅で、窓などの開口部と外壁などの躯体の断熱改修を組み合わせる工事が対象です。
限度額は、平成3年以前の住宅が100万円/戸または50万円/戸、平成4年〜平成28年の住宅が80万円/戸または40万円/戸です。塗装は補助対象の工事に入っておらず、遮熱塗料で塗り替えても対象になりません。申請は登録されたみらいエコ住宅事業者が行い、交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで、着工と交付申請は遅くとも2026年12月31日までです。リフォームの申請額は2026年10月31日午前0時時点で予算の12%でした。
出典:みらいエコ住宅2026事業・リフォーム、同・躯体の断熱改修(2026年10月31日確認)
日照2,200時間超の盆地と、年代の幅が広い甲府の家
甲府地方気象台(甲府観測所)の1991〜2020年の平年値と、令和5年住宅・土地統計調査の甲府市の値です。
| 項目 | 甲府市 |
|---|---|
| 年降水量 | 1,160.7mm |
| 年平均気温 | 15.1℃ |
| 年間日照時間 | 2,225.8時間 |
| 年降雪深・年最深積雪 | 23cm・15cm |
| 平均相対湿度 | 64% |
| 市役所から概略海岸線まで | 約60km |
| 居住世帯のある住宅 | 85,790戸 |
| 一戸建て(割合) | 49,750戸(57.99%) |
| 一戸建てで最も多い建築時期 | 2011〜2020年(8,560戸) |
雨が少なく乾いた空気の一方、日差しは長く強いので、南面と西面の外壁から色あせやチョーキングが進みやすい土地です。海岸線から約60km離れた内陸で、海風による塩害を気にする場面はほとんどありません。距離は市役所を基準にした概算です。
一戸建ての建築時期は、1981〜1990年が8,130戸、1991〜2000年が8,230戸と、最多の2011〜2020年とほぼ同じ規模です。1970年以前の5,740戸、1971〜1980年の7,770戸も合わせると、旧耐震の時期の家は1万戸を超えます。初めての塗り替えを迎える家と、耐震や下地の補修まで考えたい家が混在しているのが甲府の特徴です。
出典:気象庁・甲府の平年値、e-Stat・令和5年住宅・土地統計調査 第9-2表、国土地理院住所検索、Natural Earth海岸線(市役所基準の概算。2026年10月31日確認)
見積もりを頼む前の確認と、勧誘への備え
- 昭和56年5月以前に着工した木造住宅なら、市町村の耐震診断を先に受け、耐震改修と外壁の工事を同時にするかを決める。
- 子育て世帯の補助を使えるか確認中なら、業者に伝えて請負契約書や領収書を発行してもらえるかを聞く。
- 国の断熱補助を考えるなら、依頼先がみらいエコ住宅事業者に登録しているかを確かめる。
- 自己資金で塗り替えるなら、日の当たる面の傷み方を見てもらい、下地補修とシーリングの範囲をそろえて複数社で比べる。
大雪や強風で外壁が壊れた場合は、契約内容によって火災保険の対象になります。国民生活センターは、経年劣化による住宅の損傷は自然災害などの事故による損害ではないため保険金支払いの対象にならないと注意しています。「県や市の助成金で塗装が無料になる」と訪問で勧められたら、その場では契約せず、市町村の窓口か消費者ホットライン188に相談してください。
出典:国民生活センター・保険金が使えると勧誘する住宅修理の注意喚起(2026年10月31日確認)
よくある質問
山梨県に外壁の塗り替えだけを補助する制度はありますか?
見当たりません。県が挙げるリフォームの支援は耐震化・アスベスト飛散防止対策・在宅重度心身障害者の居室整備で、外壁の塗装や断熱を県が独自に補助する事業はありません。
甲府市の住宅リフォーム助成は再開していますか?
市は平成29年度をもって終了したと公表しており、再開の案内はありません。
甲府市の子育て世帯住宅取得支援で外壁を塗り替えられますか?
要綱のリフォーム費用は修繕や改築などの工事費用とされていますが、外壁塗装が入るかは書かれていません。世帯の要件を満たすかと合わせて、工事の前に市の連携共創課へ確認してください。
やまなしKAITEKI住宅の補助は塗り替えにも使えますか?
使えません。改修で補助を受けるにはKAITEKI住宅リノベの認定が必要で、長期優良住宅(増改築)の認定を受けることなどが必須事項になっています。
耐震改修の補助で外壁の工事費も出ますか?
県と市町村の木造住宅耐震改修等支援事業の限度は耐震改修工事費です。外壁を開けて補強した後の仕上げや塗装は、補助とは別の費用として見積もってもらいます。
まとめ
山梨県には外壁の塗り替えに使える県独自の補助がなく、甲府市の一般向けリフォーム助成も平成29年度で終わっています。甲府市で可能性があるのは条件のそろう子育て世帯の住宅取得支援と空き家バンク物件の改修で、前者は塗り替えが対象かを市に確かめることから始めます。
日差しの強い盆地の気候では、日の当たる面の塗膜から傷みが進みます。旧耐震の木造住宅なら耐震改修と、断熱まで考えるなら国のみらいエコ住宅2026事業と組み合わせられるかを先に決め、そのうえで塗り替えの見積もりを複数社で比べてください。
出典・確認日
確認日はいずれも2026年10月31日です。
- 山梨県:住宅のリフォームをお考えの方へのお知らせ、木造住宅耐震改修等支援事業、やまなしKAITEKI住宅について、家庭用省エネ設備等導入支援事業費補助金、空き家対策に関する情報
- 甲府市:甲府市住宅リフォーム助成事業の終了について、甲府市子育て世帯住宅取得支援事業について、空き家バンク活用促進助成制度、やまなしKAITEKI住宅普及促進事業費補助金
- 国など:みらいエコ住宅2026事業、国民生活センター
- 統計:気象庁・甲府の平年値、e-Stat・第9-2表、国土地理院住所検索、Natural Earth海岸線(市役所基準の概算)
